ギャンブラーの資産推移は、このようになります。
① 黎明期
なかず飛ばずでやや勝ちやや負けを繰り返す。ツイッターなども謙虚に発信する。
②覚醒期
偶然に相場がトレード手法にマッチし始め、コンスタントに収益を上げるようになる。
このころから自分は才能がある、これで食っていけると考え始める。
労働者をディスり始める上から目線も出てきて、取り巻きも増えてくる。
大した知識もなかったくせに、経済や証券取引に関する素人都市伝説級の情報で得た知識で語り始める。
トレードは強気な攻めが多く、熱狂したアンチから冷静なアンチまで増えるため、いつか破産するだろうと思われる。
しかし危なげなく勝ちは続く。
③絶頂期
これまで数年間のトレード人生で得た総利益の数倍の利益を、ものの数週間で稼いでしまう。
相場が本人の偏見に完全に一致した状態で、自分こそが日本指折りのトレーダーだと思い始める。
もうそろそろ大損してもおかしくないような状況で、アンチの期待と裏腹に、さらに資産は天井知らずで上昇を続ける。
経済を語るよりは自分語りを始める。知識より金、学歴より金、自分は一般人と違うところにいる的な発言も多い。
傍観者によっては「本物」「天才」「神」と勘違いするものが出てくる。それが本人の承認欲求をくすぐる。
自分が足りは暴走を始め、ネット配信を始める、セミナーを始めるなど無双状態。
このころ、脳内は完全なお花畑であり、有名なメディア出演を妄想していることが多い。
④失墜期
これまでにない大きな失敗を皮切りに、資産バブルが崩壊を始める。
相場の偶然が必然に変わった瞬間であるが、本人は適当な失敗の原因を探し出して解説を始める。
素人都市伝説級の経済知識で「ドル円がこうだから」「パウエルの発言が」など、外的要因で負けた原因を解説する。
しかし、数か月前までとんでもない素人だったことは、もはや記憶にはない。
それでも本人には一時的な逆風くらいにしか考えておらず、ちょっと前までの資産に戻せると思っている。
アンチへの反論に必死になり、「トータルで勝ってるし」の言い訳も一番似合う時期。
⑤消滅期
相場が偶然を許さず、勘違いと現実に完全な乖離ができている。
絶頂期に利益を上げた時に引退しなかったことを後悔する。
以前の大勝の記憶が忘れられず、変に大きな利益を取ろうとしては負けが続くスパイラルに陥る。
ネット配信による恍惚感はいまだに忘れることはできず、配信を続けるものの、あれほど祀り上げていた取り巻きはどんどん減ってゆく。
現状に満足したくないために、無謀な一発勝負に出ることが多くなる。
そして、腹をくくったかのように「最後の賭けです」と大きく宣言をして、打ち上げ花火の最後の大玉のように壮絶な爆死をする。
⑥終了
人生で最も無駄な腹のくくり方をした者の最後である。資産はゼロで底辺のバイトをし始め、実は社会的には底辺の部類の労働しかできない部類に入る人間であることが露呈する。
そして、ブログやネット配信でお別れの言葉をつづって消える。
今後どうなるのか誰も分らない。なぜなら、もはやほとんどの人が気にしておらず、別の面白そうな人に夢中になっているからである。
いつか復活します、という人もいるが、実際に復活した人はゼロである。いつまでも来ない「いつか」をずっと抱えることになったのは、一つの勘違いがきっかけであることに気が付いたのか定かではない。
マルサの総評
だいたいね、経済語り始めたら終わりの始まりです。だって素人であることを忘れたわけですから。
自分を語り始めたら引き返せません。スポットライトこそがこの道にとどめてしまうのです。
10年前のリーマンショックのころ含め、この手の人で残った人、ゼロだから。本当にゼロだから。どんなにすごい、カリスマと言われた人も、消えてなくなっている。唯一残っているのは、トレードするふりしてしておらず、すでにセミナーなどの有料情報販売に切り替えた人だけね。